ウエディングコラム「日々入魂」

いまだから話せるウエディング業界裏事情

2012/05/17 < 通常

適正価格はどこにある?



▼「業界の適正価格」ってあるの?!

先日あるシェフと今度の披露宴のメニューについてお話していました。

シェフ「一万円のお料理ってけっこう気使うのよね。」

赤 坂「どういう意味?」

シェフ「ディナーで5000円が基本なので、ただ原価を上げるだけで一万円にはならないんだよね。」

赤 坂「うんうん」

シェフ「婚礼料理だから、ロブスターや刺身で鯛やヒラメなんか使ったって原価は倍にもならないもんね。 

    料理人の良識として一万円の価値を創るのは毎回趣向を凝らさなくっちゃならないからね」

赤 坂「そうだよね。今度もお客さまに納得いただけるメニューお願いね。」

いかがですか。こんな良心的なシェフもいるんですよ。

でも、一般的な会場だったらちょっとわけが違います。
お料理のメニューは最低でも1万円から。2万円、3万円になってますよね。
ボーダーラインがあるんです。1万円、2万円という軸があって、そのプラスマイナスいくらっていうモノサシで考えちゃうんです。

この業界以外の一般常識として、どうしてお料理が2万円も3万円もかかります?
一流の温泉旅館でも一泊二食で2万円も3万円だせば、ゆっくりできますよね。

このメルマガで創刊号以来お話している「お祝儀価格」っていうことです。

もちろんゲストの方々のお祝い金の相場はご友人で3万円前後、ご親戚で5万円前後ですから、

2万円や3万円のお料理をご用意することはそれなりかもしれません。
でもほんとうにその価値に見合うものを提供していかなくてはならないと思います。

ここまで「お祝儀価格」なんていって、こき下ろしているようですが、
これもこの業界が良くなってほしいからなんです。


そこでこの業界のためにちょっといいわけタイムです。

お料理代金にはそれ以外の余分なコストがかけられているからなんです。
たとえば、会場費ですね。普通2万~4万円が相場ですよね。
ウェディングでご使用の場合はお安くなっているんです。
ふつう100名様程の懇親会で料理無しで会場をお借りすると、20万円前後です。
20年以上前の話で申し訳ありませんが、わたしの個人的な経験からいうと
150名はいる部屋で会場費40万円だった記憶があります。
それから余分な人件費がかかっています。
一度に50人以上のお客さまに対応するためには外部の配膳さんからアルバイトを
手配しているのでなかなか大変みたいです。
そのようなコストが料理単価に含まれているようです。

いろいろあるようですが、少しづつでもオープンにしながら、納得できるお値段に
していかないとなんて考えるのは私だけでしょうか?

結婚式の主役は結婚式場ではなく挙式されるお二人である

 富山県は冠婚葬祭にはお金を惜しまない県民性そうです。


(私自身は富山県出身ではないのでこの意見は地元の方の意見の集約です。) 

確かに結婚式場のテレビCMはハウスウェディングのものが大変多く目につきますし、

また結婚式のお祝いの象徴である引出物は大変立派な詰め合せギフトであることが多いようです。

そんな費用をかけた結婚式の宣伝が増えているにもかかわらずここ数年、

浪漫亭で挙式をなさるお客様も増えてまいりました。 

 

浪漫亭での挙式のプロデュースの大半を担っていただいている「しあわせ創庫」の西谷社長曰く

「結婚式の本質を考えて挙式をするカップルが増えているからではないか?」と分析をしております。

かみくだいて言えば「ほんとうに楽しい結婚式をするためには自分たちの意見を取り入れた、

いわば”お仕着せ”でない”手作りの結婚式”を挙げたい。」というところにあるのではないでしょうか。 

つまり費用をかけた結婚式だけが「記憶に残る素晴らしい結婚式」ではないことに若い方たちが気づき始めたのだと思います。

「記憶に残る」といえば周りの木々に囲まれた古城公園の広い芝生での宣誓は新しい門出の若いふたりに鮮烈な記憶として残り、列席された方々にもこの上ない想い出となることでしょう。この環境こそが記憶に残る素晴らしい結婚式を作り上げてくれるのです。

 この日はもちろん一日一組、貸し切りでのご披露宴はお二人のアイデア次第でバンド演奏、獅子舞、おわら等、いろいろな変化をつけることができます。そしてここから先がほんの少し浪漫亭がしあわせのお手伝いをさせていただきます。

 もうおわかりでしょう。1カ月に何組もプロデュースされる西谷社長とレストランが主体の浪漫亭と分野が違っても私たちが言いたいことは,「結婚式の主役は結婚式場ではなく挙式されるお二人である」ことなのです。

二人で歩み始める第一歩の披露宴の会場選びこそが堅実でクレバーなお二人の腕の見せ所なのです。

 

浪漫亭 三の丸 菊岡 

 

 

  ※しあわせ創庫のウェディングの舞台「浪漫亭」の菊岡オーナーに寄稿のご協力をいただきました 


カテゴリ別

最新の記事

月別アーカイブ